もし、あした自分の命が終わるとしたら。今日のあなたは、いつもと同じ一日を過ごすでしょうか。多くの人は「死」を考えないようにして毎日を送っています。けれど、いつか必ず訪れるその瞬間から逆算したとき、はじめて見えてくる「本当に大切なもの」があります。
今回紹介するのは、ベストセラー作家ひすいこたろうさんの『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』です。重たいタイトルとは裏腹に、読み終えると不思議と心が軽くなり、今日という一日を大切に生きたくなる。そんな一冊のエッセンスを、心に響く問いとともにわかりやすく要約します。
『あした死ぬかもよ?』はどんな本?
本書は、コピーライターであり作家のひすいこたろうさんによる一冊で、ディスカヴァー・トゥエンティワンから刊行されました。著者は累計部数を伸ばしてきた「名言セラピー」シリーズで知られ、心に響く言葉を届けることを得意としています。心理学を学び、心理カウンセラーとしての経験も持つ著者ならではの、やさしく深い語り口が特徴です。
テーマは「死」。とはいえ、暗く沈んだ本ではありません。むしろ逆で、「いつか終わりが来る」という当たり前の事実を見つめ直すことで、今をどう生きるかを考えさせてくれる本です。各章には読者自身への問いかけ(質問)が用意されていて、ただ読むだけでなく、自分の人生に当てはめて考えながら進められる構成になっています。
人は、いつか必ず死ぬ。だからこそ、今日という一日には意味がある。
『あした死ぬかもよ?』が投げかけるテーマ
こんな人におすすめの本です
- 毎日が忙しく、何のために生きているのか見失いがちな人
- 「やりたいこと」を「いつか」と先延ばしにし続けている人
- 後悔のない生き方をしたいと感じている人
- 家族や身近な人との関係を、もっと大切にしたい人
- 気持ちが沈んでいて、前を向くきっかけがほしい人
核心1:死を意識すると、本当に大事なものが見えてくる
本書の根っこにあるのは、「死を思うこと(メメント・モリ)が、生を輝かせる」という考え方です。終わりがあると意識したとき、人は何が自分にとって本当に大切なのかを真剣に考え始めます。
たとえば、もし余命が一年だと告げられたら。多くの人は、出世や貯金額より先に、大切な人と過ごす時間や、ずっとやりたかったことを思い浮かべるのではないでしょうか。普段は山のように見えていた悩みも、人生最後の日という視点から眺めると、案外小さく見えてくる。死を意識することは、暮らしの中で本当に優先すべきものを選び直す、強力な物差しになります。
いま抱えている悩みは、たとえ人生最後の日であっても、深刻ですか?
『あした死ぬかもよ?』より
この問いは、目の前の不安をやわらげてくれます。最後の日から見れば深刻でないことなら、今この瞬間も、それほど重く受け止めなくていいのかもしれない。そう思えるだけで、肩の力がふっと抜けていきます。
核心2:人生最後の日から、今日を逆算する
本書がくり返し読者に投げかけるのが、「もし今日が人生最後の日だとしたら」という視点です。これは未来から今を見つめ直す発想で、日々の行動を見直すきっかけになります。
もし今日が最後の日だとしたら、今日やろうとしていたことを、あなたはする?
『あした死ぬかもよ?』より
この問いに「やらない」と答える日が続くなら、それは生き方を見直すサインかもしれません。気の進まない予定、惰性で続けている習慣、本心では望んでいないこと。最後の日という基準で見ると、何を手放し、何に時間を使うべきかがはっきりしてきます。逆算思考は、漠然とした毎日に「今日やるべきこと」という輪郭を与えてくれるのです。
核心3:後悔のない生き方とは「やらなかったこと」を減らすこと
人生の終わりに人が口にする後悔は、「やってしまったこと」よりも「やらなかったこと」に集中すると言われます。挑戦しなかった夢、伝えられなかった気持ち、行けなかった場所。本書は、そうした「いつか」を、今の行動へと引き寄せる手助けをしてくれます。
あなたが「ま、いっか」と、あきらめてきたことはなんですか?
『あした死ぬかもよ?』より
「ま、いっか」と自分に言い聞かせて棚上げにしてきたことの中にこそ、本当はやりたかったことが眠っています。それを一つひとつ思い出して書き出すだけでも、心の奥にしまい込んでいた願いが姿を現します。後悔を減らす生き方とは、特別なことをするのではなく、先延ばしにしてきた小さな一歩を、今日から始めることなのだと気づかされます。
核心4:身近な人への感謝に気づく
死を見つめるとき、多くの人の心に浮かぶのは、これまで支えてくれた人たちの顔です。本書は、当たり前すぎて見えなくなっている身近な人とのつながりや、命を授かったことそのものへの感謝に、そっと光を当てます。
あなたが両親を選んで生まれてきたのだとしたら、その理由はなんだろう?
『あした死ぬかもよ?』より
これは事実かどうかを問う質問ではなく、視点を変えるための問いです。「選んで生まれてきた」と仮定して考えてみると、不満に思っていた関係の中にも、自分にとっての意味が見えてくることがあります。感謝の気持ちは、人間関係をやわらげ、今ある日常を愛おしく感じさせてくれます。死を意識することが、結果として身近な人を大切にする心につながっていく。ここに本書のあたたかさがあります。
核心5:27の質問を「書くワーク」として使う
本書のいちばんの特徴は、読者に向けた質問の数々です。タイトルにある27の質問は、ただ読み流すためのものではなく、自分の答えを考え、書き出すことではじめて力を発揮します。頭の中で漠然と思うのと、言葉にして書き出すのとでは、心の整理のされ方がまるで違います。
本書に収められた問いは、たとえば次のようなテーマにわたります。あくまで一部であり、表現も書籍そのものとは異なりますが、雰囲気は伝わるはずです。
- あなたのお墓に言葉を刻むとしたら、なんて入れたいか
- 「がんばれ」以外で、自分を励ます言葉はなにか
- 本当に大切で、ゆずれないものは何か
- 今、いちばん感謝したい人は誰か
おすすめの使い方は、一度に全部答えようとせず、一日一問でも、心が動いた問いだけでもいいので、実際に紙に書いてみることです。そして時間をおいて読み返すと、自分の考えの変化に気づけます。読むだけの本ではなく、自分と対話するための本として手元に置いておきたい一冊です。
正直なところ、向き不向きもある
本書は多くの人の心を動かす一方で、合う人と合わない人がいるのも事実です。論理的な分析や具体的なノウハウを求める人にとっては、感性に語りかける文体や前向きすぎるメッセージが、物足りなく感じられるかもしれません。「言葉が軽く感じる」という受け止め方もあるでしょう。
また、大切な人を亡くした直後など、心が深く傷ついているときには、「死」を扱うテーマそのものがつらく感じられることもあります。深刻な悩みや心の不調を抱えている場合は、無理に読み進めず、医師や公認心理師など専門家に相談してください。本書の価値は、万能の答えとしてではなく、「立ち止まって自分の人生を見つめ直したいとき」のきっかけとして読むときに、最も生きると思います。
読み終えると、何が変わる?
読後にまず変わるのは、毎日への向き合い方です。「いつか」と先延ばしにしていたことに、小さくても手をつけたくなります。どうでもいい悩みに使っていた時間が減り、大切な人との時間や、本当にやりたいことへ意識が向くようになります。劇的に人生が変わるわけではありませんが、今日という一日を、少しだけ丁寧に生きてみようと思える。そのささやかな変化こそが、本書がくれる一番の贈り物です。
まとめ
『あした死ぬかもよ?』は、「死」というテーマを通して「どう生きるか」を考えさせてくれる一冊です。死を意識することで本当に大事なものが見え、人生最後の日から逆算することで今日やるべきことがはっきりし、やらなかった後悔を減らし、身近な人への感謝に気づく。そして27の質問が、その気づきを自分自身のものへと深めてくれます。要約で心が動いた方は、ぜひ実際に手に取り、一つひとつの質問に自分の答えを書き込んでみてください。読むほどに、今日という一日がいとおしくなるはずです。
よくある質問
- Q『あした死ぬかもよ?』はどんな人に向いていますか?
- A
毎日に追われて何を大切にすべきか見失っている人や、後悔のない生き方をしたい人に向いています。やさしい言葉づかいで難しい知識も不要なので、自己啓発書をあまり読まない人でも読みやすい一冊です。
- Qタイトルが重そうですが、暗い内容の本ですか?
- A
いいえ。死を扱ってはいますが、テーマは「だからこそ今をどう生きるか」です。読後はむしろ前向きな気持ちになれる内容で、今日という一日を大切にしたくなる本です。
- Q27の質問は、どう使えばいいですか?
- A
読み流すのではなく、自分の答えを実際に紙に書き出すのがおすすめです。一度に全部答える必要はなく、一日一問でも構いません。時間をおいて読み返すと、自分の考えの変化にも気づけます。
著者ひすいこたろうさんの他の作品
- 3秒でハッピーになる名言セラピー:シリーズの原点。短い言葉で心が軽くなる名言集。
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